
写真はおかりしたものです
私の家は雑木林に隣接するようにあるので、いろいろな動物がやってくるのですが、最近はフイーンヌ=fouineという、日本で言うオコジョをよく見かけるようになりました。この辺りにはずっと以前から生息している動物ですが、夜行性ということもあり、実際に姿を目にすることはほとんどありませんでした。
夜9時を過ぎ、あたりが薄暗くなってくる頃、フランスで言う「犬とオオカミの間(どちらか見分けるのが難しくなった夕暮れ時)」に、垣根の中からカサコソと音がします。何か動物がいるというのは、気配でわかったのですが、しばらく音のする方を見ていると、一匹の小さな生き物が、ぴょんぴょんと跳ねながら現れてきました。毛の色は茶色にグレーがかっていて体長が2〜30cmくらい、首の周りに白い模様があります。一瞬リスかと思ったのですが、これはフイーンヌだなとすぐに見当がつきました。
クエッチ(プルーンのようなもの)の木に近づき、スルスルと上へ登って行きます。登りつめるとクエッチのついた枝を手で引き寄せて、熟れた実を食べ始めました。
フイーンヌは見た目がぬいぐるみのように可愛いのとは裏腹に、雑食性で気性が荒く、ときには鶏をも襲うこともあるそうです。屋根裏に住み着いてしまうと、あちこちを荒らし回っては糞尿を撒き散らし、夜中に騒音を立てるので、こちらでは嫌われ者的な存在になっています。
ただ、我が家の屋根裏に住み着いた形跡はないので、ハリネズミのために置いてあった木箱の中に住んでいるのか、外に置かれた薪の間にでも巣を作っているのかもしれません。人からは害獣扱いされていますが、ご覧の通りなんとも愛嬌のある小さな生き物です。
これも夏の夜の楽しみの一つと思って、虫の音を聞きながら、今夜もフイーンヌが現れるのを待つことにします。