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森の食堂 ア・ラ・カルト

フランスの片田舎で、四季の食材を使った料理を楽しみながら、森の動物とネコ達と暮らす日々を綴ったブログです。

2020.05.08.Fri

茶トラ君の初恋日記②

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茶トラくんの初恋日記① ←この続きになります

人間と違ってオスネコさんはとても紳士的だ。
異性に対して決して暴力を振るうことはなく無理強いもしない。
メスネコさんが心を許してくれるまで辛抱強く待つことができた。

ただ、「ひょっとしてあの娘、俺に気があるな・・ムフ」と勝手に思い込んでしまうという点では、人間の男同様オスネコもお馬鹿だった。

茶トラくんは毎日同じ時間に、自分の家から通りを渡り我が家まで出勤すると、
ミミのあとを追うことに一日の大半を費やした。


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「ありえない・・。」ミミはひとりごちた。
そもそも彼女のタイプはロン毛でふわふわ、三角小顔の洋風ネコさんなのだ。

こんな和菓子の栗まんじゅうのような顔をしたネコは、まるで好みではなかった。

「ネコ缶のCMに出てくるような美猫さんは、こんな田舎にはいないのだろう・・」
いつか花の都と噂される街に出て、真面目に恋活をしようとミミは考え始めていた。

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こんにちは〜

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さようなら〜


悪いネコではなさそうだ。ただ、いつもああやって、しらじらしく用もないのに私に近寄ってくるのが気に入らない。
「これほど<近づくな危険>オーラを体から発しているというのに、なぜこの男は懲りないのだろう。今度来たら思いっきりスネにかぶり付いてやろうか・・」ミミには彼の行動が理解できなかった。



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ところがある日、転機が訪れた。恋の季節がやってきたのだ。

「ア〜オ〜〜」彼女は発情した。
「あらら?今日の私、なんだか変・・」体の異変に彼女は気がついた。
あんなに嫌いだった栗まんじゅうが、だんだんマロングラッセに見えてきた。

「わたし食べず嫌いだったかしら・・」ミミは考えた。
太って膨張したお腹も、見ようによっては毛が伸びたようにも見える。

それは春の天使が、二人のためにかけてくれた魔法でした。

当時の茶トラくんは去勢しておらず、ミミも避妊手術をしていなかったので、子猫が産まれたら困るなと思う反面、もし産まれたらうちで面倒をみようと思っていたので、しばらく2匹の様子をみることにしました。


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結果として二人の間に子供はできませんでしたが、それからしばらくの間、二匹は微妙な距離を保ちつつ、平和な日々を過ごしていきました。
そしてミミは2年半ほど我が家の庭で過ごした後、ある冬の日に風邪をこじらせたのが原因で虹の橋を渡りました。

ミミが旅立って以来、他のメス猫をほとんど見かけません。わたしが庭仕事をしていると必ず近くに寄ってきて、わたしの心を和ませてくれたミーちゃん。

今は茶トラくんがミミの代わりに、たくさん喜びと幸せを運んでくれています。


おしまい。



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