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森の食堂 ア・ラ・カルト

フランスの片田舎で、四季の食材を使った料理を楽しみながら、森の動物とネコ達と暮らす日々を綴ったブログです。

2013.04.11.Thu

記憶の中のビーフストロガノフとシュペッツレ

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駆け出しの料理人のころ、私の親方は、サラリーマンならとうに定年を迎えている年齢の、職人気質な人でした。
当時はヌベルキュイジーヌ(新しい”流れの”料理)が流行始めていた頃で、定規で計られたように綺麗に並べらべられた料理の盛りつけに憧れたものです。

そんな流行とは裏腹に、親方の料理はありふれた洋食やの料理で、当時の私の目には少し時代遅れのものにしかに映りませんでした。
親方の口癖は「味は教わるものじゃない、盗むものだ」言っている意味もよく分からず、鍋に残ったソースやお客さんが食べ終えて、お皿についたソースを舐めては、必死に味を盗もうとしたのを覚えています。


そんな親方が教えてくれた料理の一つがこのストロガノフ。今になって思えばパソコンも何もない時代に、人から人へ、口伝えでしか教えることのできない貴重なレシピを教わったのだなとありがたく思います。

私のブログとリンクしているeichanさんのブログで、この教わったストロガノフとそっくりなレシピをみかけ、思い出が蘇り、いつかこの料理を作ってみたいなと思っていました。




記憶の糸をたどって作ってみましたが、今わたしが作るこの味も、これまでの経験が上書きされているので、もう元の味とは変わってしまったかもしれません。





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beef stroganoff



材料 2人前

牛肉赤身・・・         210~230g
(ヒレ肉やモモ肉等)
マッシュルーム・・・      120g(6〜8個くらい?)スライス
玉葱(小)・・・        150g(1個)みじん切り
マト(小)・・・       1個(湯むきして、タネをのぞきます)1cm角のダイス切り        
肉の出し汁・・・       100cc(顆粒のコンソメ等を水でわって下さい)
生クリーム・・・        200cc(ここはぜひ動物性の生クリームを)       
甘口のワイン・・・       70〜80cc(ポルト酒、マルサラ酒ですが、赤玉ポートワインでも)
バター・・・          20〜30g          
パプリカ・・・         大さじ1程

小麦粉・・・          肉にまぶす分だけ
レモン汁・・・         大さじ1〜1.5

塩、胡椒(胡椒の代わりにカイエンヌペッパーでも(粉唐辛子です)
       

ここでは生クリームを使いましたが、本来はサワークリームで作るので、その場合はeichanさんのレシピを参考にしてみて下さい。

生クリームですが、生乳から作る動物性のものを使っていただくと、熱を入れても分離しませんし味もよくなります。植物性のホイップクリームよりこちらをお薦めします。



 作り方

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・牛肉を厚さ3~4mmの薄切りにし、お皿かまな板の上に並べ、塩、胡椒をします。
・その上からパプリカ(粉末)をふりかけます。

ー↓この作業は省略しても結構です。オヤジさん流ですー
・肉を一枚ずつ、両手のひらで挟んで、クルクルと丸めます。(下写真のような感じ)
ちょど竹とんぼを飛ばすような感じ。


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・丸めた肉に小麦粉をまぶします。(ここはクルクルしなくていいです)

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・マッシュルームはスライス、玉葱はみじん切りにしておきます。

・トマトはヘタを取り、熱湯に10秒程浸けて薄皮を剥きます。横半分に切り、中のタネを取り除きます。

・温めたフライパンにサラダ油を敷き、中火で肉を焼きます。あまり動かしすぎると、肉が開いてしまうので、表面を焼くような感じで焼いて下さい。肉を丸めていなければ特に注意する必要はありません。

・肉には8分ほど火が入ったら、お皿にとっておきます。


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・フライパンが汚れているよなら、キッチンペーパーで一度拭き取り、ここにバターを溶かし、玉葱を弱火で炒めていきます。

・しんなりしたら次にマッシュルームを入れ炒めていきます。(マッシュルームから水分が出て来て炒めやすくなので、油は足さなくて大丈夫です)途中で塩をひとつまみ入れて下さい。 


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・マッシュルームの量も減って、そこから3〜4分炒めたら、ワインを入れます。(ポルト酒を使いました)

・中火にして気持ち、煮詰めます。


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・ここに肉の出し汁を加えます。(ここでは鶏のフォンを使いましたが、水でわった顆粒のコンソメで)
  ↑ゼラチン質で固まってます


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・さらに煮詰め、入れた量の半分ほど煮詰まったら、生クリームを加えます。


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・またさらに煮詰め、(2〜3分)ソースにとろみがついてきたら、用意したトマトを入れます。


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・塩と胡椒(又は唐辛子粉)でソースに味をつけ、トマトも少し柔らかくなったら焼いた肉を戻します。

・レモン汁をふりかけ、もう一度最後に味を見て、肉が温まったら出来上がりです。


一般的にストロガノフには、バターライスやヌードルを付け合わせにしますが、今回はこれもまたその頃親方に教わった、家庭でも手軽にできるシュペッツレを付け合わせにしてみました。

正直、名前に「ビーフ」とつく時点で、これがいったいどこの料理か分からなくなってしまいますが、このストロガノフも日本に入って来た時点で、親方流になっていたのではないかという気がします。

生クリームのまろやかな味わいの一皿になると思います。牛肉の代わりに鶏の胸肉でもできます。
鶏でやる場合、最後に粒マスタードを少し混ぜるとよく合うソースになります。



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(ロシア語ではбефстроганов(ベフストロガノフ)。代表的なロシア料理のひとつである。「ベフ」は英語の「ビーフ」ではなく、ロシア語で「~流」であり、「ストロガノフ流」の意であるとの説もあるが、これを俗説とし、「ビーフ」はフランス語のブフ(Boeuf・牛肉)という説も。)ということです。ウィキペディアより









 今日のねこ・・

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シュペッツレの作り方は、こちらです




次にシュペッツレの作り方  ーSpätzleー

 材料

強力粉・・・        200g
卵・・・          1個
水・・・          120〜130g
塩・・・          小さじ1/2程
ナツメグ・・・       少々
バター           炒めるときの分です
 

ドイツ語圏の国でよく食べられる小麦粉の生パスタのようなものです。

ジャガイモのマッシャーや、専用の器具で生地を漉すようにお湯に落として茹でると、もっと細かいシュペッツレにできあがります。




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・ボウルに小麦粉を入れ、真ん中をくぼませたら、塩と卵、ナツメグをいれます。



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・卵を指でときほぐしながら水を加え、徐々に小麦粉を混ぜていきます。



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・だいたい混ざったら、生地を指で摘まんで引っ張り上げ、叩き。引っ張っては叩く、というのを繰り返して、生地にコシをつけていきます。

・生地はかなりゆるくて、手にべったりくっつきますが、こういうものなので頑張ってペタペタやります。

・2分ほど?やれば、よろしいでしょうか・・



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・鍋に塩を多めにいれたたっぷりのお湯で、生地をゆでます。ゆであがった生地を冷ます水を用意しておきます。

・平らな木べらの上に生地をのせ、ひらたく延ばし、ナイフの背の部分を使って、生地をこそぎとるようにしながら、少しずつお湯の中に落としていきます。
ナイフを時々お湯で濡らしながらやると生地がつきません。

・お湯の中の生地がしっかり浮かんできたら網ですくって、用意した水の中にとって冷まします。



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・生地を水に浸けっぱなしはよくないので、冷めたらザルにとって下さい。

・すぐに使わなければ、軽くサラダ油をからめて冷蔵庫で保存します。



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・食べる時はバターと一緒に炒めて下さい。



グーラッシュの付け合わせとしてよく使われますが、今日はここで紹介してみました。
付け合わせとしても。このままをクリームで和えたり、チーズをふってメインのお皿にもなります。






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