森の食堂 ア・ラ・カルト

フランスの片田舎で、四季の食材を使った料理を楽しみながら、森の動物とネコ達と暮らす日々を綴ったブログです。

2014.11.30.Sun

「衰退する日本漁業」という現実

私が日本に帰り、スーパーに行って改めて実感するのは、なんと売られている魚の多いこと!新鮮なお刺身や切り身、干物がずらりと並んでやっぱり日本の魚市場は凄い!フランスとは比べ物にならないほど豊かな魚資源。当然日本漁業も同様に漁獲量でも、養殖の技術でも世界に誇るものがあるのだろう。そう思っていました。
ところが実際には、にわかには信じ難い日本漁業衰退の現実・・。

私は日本に住んでいないので、メディアが今の日本漁業の状態をどう伝えているのか知りませんが、日本にお住まいの方達はこの現実をどのくらい把握しているのでしょう。

日本は潮の流れや地形をみても非常に良い漁場を持っているにも関わらず、なぜ獲れる魚が減っているのか。
日本以外世界の漁業は伸びている。衰退しているのは日本ぐらいのもの。じゃあ、一体これから何をすれば良いのか。

早い時期に魚の資源管理に成功したノルウェー、ニュージーランドと衰退を続ける日本とを、先日のさかなTVで紹介されていた内容に、その他の資料に基づき多少肉付けをして、分かり易いよう比較し、まとめてみました。


※長くなりますので、ぜひお時間のあるときにご覧になって下さい。



●1970年以前の漁業のやり方
ノルウェー、ニュージーランド日本共に
どんな魚でも獲れるだけとり放題。腕のいい漁師がたくさん魚を獲り儲かる漁業。


●1970年以降の漁業
ノルウェー、ニュージーランド右肩上がりに成長


日本徐々に衰退



●ではなぜ1970年以降、ノルウェー、ニュージーランドは成長し、日本は衰退していったのか

ノルウェー、ニュージーランド環境を保護する団体が、漁師の魚の獲り過ぎを非難。むやみに魚は獲ってはダメと猛反対! (。-`ω´-) 
                 

では獲り過ぎにならないように、漁業者一人一人の魚の取り分を決めましょうと国が規制する方向へ(個別割当方式の導入を検討)。
                 

そんな魚の取り分なんて決めたら、漁業者の収入が減ってしまう!と今度は漁師が猛反対!(怒)
                 
                 

国民の世論が政府を動かし、漁獲量を制限する個別割当方式を導入することに決定。
                 

個別割当方式を導入し、漁業者の取り分を決めてみると、安定して漁業が儲かるようになってきた☆なぜなら、どうせ100匹の魚しか獲れないのなら、安い小さな魚をとっても仕方がない。より大きな魚をとった方がお金になるのだから、大きい成魚を獲ろう。おかげで小さな幼魚は成長することができるようになり、大きな魚を持続的に獲れるようになった。(●´∀`)ノ・ラッキ〜♪
                 

資源管理がきちんとコントロールされるようになり、漁業者も安定した高収入。大きな魚も幼魚も暮らす海。
資源管理成功♪


日本 どんな魚を獲ろうが、国民にとっては漁業も環境もあまり関心なし。
うなぎやマグロ、数の子やしらす、旬の魚こそ日本の食文化、子持ちの魚は美味しいよね♪状態。


よその国では個々に獲れる量を決めてるけど、日本は特に規制しません。資源管理については国が考えます。現状維持でいきましょう。
                  ↓

漁業者は相変わらずの獲り放題漁業。資源管理もしないといけないかもしれないけど、そんなことをしていたら他の漁業者に先を越されてしまう。

科学者の資源管理に基づいて定めた漁獲量を無視した、政府による漁獲枠の設定。
                   ↓

出産前のニシンでもマグロでも巻き網漁業で一網打尽。
どんな魚でも獲ってしまうために、どんどん価値のある魚が獲れなくなり、安い小さな魚を売るようになる=薄利多売によりさらにたくさん魚を獲らなければならなくなってくる。
そうでなければ、漁業者の生活がまわらない。


●そういった漁業を続けて、40数年後の現在

ノルウェー、ニュージーランド

やはり漁獲量の適正な規制がないと漁業は成り立たない
という考えの基に、持続可能な世界のお手本になる漁業。

魚が大きくなるまで待てる資源管理のできた漁業

日本

北海道のニシンほぼ絶滅

日本海のスケソウダラ激減

秋田ハタハタ激減

真サバ・真ダラ・マイワシ・ホッケそれぞれ激減

日本うなぎは絶滅危惧種

黒マグロ・ミナミマグロ激減

去年、今年とサンマの水揚げ減少

北海道のシシャモ絶滅寸前

青森のいかなご激減

漁師の後継者減少、苦しい生活

持続できない未来の見えない漁業







長崎県の玄界灘にある島、壱岐(イキ)のマグロ漁師さんが訴える。
獲り過ぎたためにマグロがいない。日本各地の漁師、仲卸し業者、消費者も含め日本全体で資源管理を考える時期にきている。

今年1月から5月下旬までの半年の間、船一隻でマグロが一本しか獲れない・・。壱岐で以前150隻あったマグロ一本釣りの船が現在20隻に。


この動画を見る時間のない方11分45秒、又は15分30秒辺りからご覧になってみて下さい。



<まとめ>

テクノロジーの進化と共に、漁具や漁船も進化し獲れる魚の量も以前とは比べ物にならないくらいたくさん獲れるようになりました。
しかしその結果、資源管理のできていない国は、子供を産む前の未成魚までたくさん獲ってしまうようになっています。子供を産む魚がいなくなっているのですから、魚が増えることはありません。

日本の漁業が直面した現状は、非常に厳しいものになっていて、もう漁業者の力だけではどうにもならない所まできているそうです。
そういった漁業の実態をメディアが取り上げないために、消費者は現実を知らない。

そこで、明日の水産業を考える専門家のひと達の意見は、とにかく早く個別割当制度の導入(漁業者個々に魚の取り分を決める)を促していますが、漁業者の反対でなかなか事が進んでいません。
漁業者にまかせていては資源管理は絶対にできないと言っています。

世界には漁業が良くなった国の前例がいくつもあり、日本漁業の問題点と解決策も明らかになっているにもかかわらず、未だに実践されていない現実
。政治の力によってこの個別割当制度の導入を実現させ、魚の資源管理を早急にすることが儲かる漁業へ転換できると断言しています。

それには、消費者がこの事に関心を持ち、ノルウェー、ニュージーランドの国の人々がやったように世論で国を動かすことが大事
だと三重大学の勝川俊雄准教授は話しておられます。無関心ではいけない。



家庭で食べられる魚介類の70%はスーパーマーケットで買われています。このチェーン展開した大型スーパーは、商品の均質的・安定的をはかるために世界各地から魚を集めており、どこで魚が獲れようとどんな方法で魚を獲ろうが社の利益を得る為に一番大事なのは鮮度と価格。海の資源管理をしていこうという所はほとんどありません。

これが大型店の「魚の獲りすぎ」を加速させているということです。

消費者は大型店舗や関連企業に対して、商品の十分な商品情報を公開するように要望し、違法に獲られた魚や過剰に獲られた魚は売って欲しくないという意思表示をしていくことが大切なのです。



以下、個人的意見

もう15年以上前の話ですが私は職業柄、千葉中央卸売市場、築地市場共に足繁く通いました。そこで魚の目利きも勉強し、フランスに来た当初も「日本人だから魚料理が得意だろう」とよく言われたぶん、魚に対する思い入れも随分ありました。

築地市場に集まる魚の種類の多さ、鮮度の良さ、人々の活気とどれをとっても日本一の魚市場、いや世界で最も優れた市場なのだという疑いを持たなかったのですが、そこに運ばれる魚を獲る日本の漁業が、今そういう事態に陥っているということを知り、愕然としつつまたなんとかしなければという思いでいます。

実際、多くの方が日本の漁業がそこまで落ち込んでいる実感はないと思います。
しかし、まず私たちは日本の魚がいなくなっているこの現実をきちんと受け止め、そして、私たち消費者にできることは何なのかを考え、魚を守る意識を高めていく事が大事なのではないでしょうか。そうすることで、魚の食物連鎖に関係する他の生き物や環境を守ることにも繋がるのだと思います。

そうやって関心を持つ事で、メディアが動き、さらに多くの人の耳にこの魚がいなくなっている現実と、日本の漁業の実態を分かってもらうことができ、ひいては行政を動かせるのではないかと思います。

※今回コメントのお返事は、次の記事と一緒に掲載、返信という形をとらせていただきます。ご了承くださいませ。




※ここに書いた記事は、「さかなTV」で紹介された内容と下のサイトを参考に、私なりに分かり易くしようと簡単にまとめたものです。私の個人的な意見は、記事末の青い字の所だけです。文章にまとまりのない部分、間違った部分、分かりずらい所、欠落した内容があると思います。そういった所がありましたら遠慮なくおっしゃって下さい。訂正いたしますので、どうぞご了承ください。


参考=

日本の漁業は崖っぷち 


日本の水産業の現状と未来


三重大学、勝川俊雄公式サイト


魚をとりまく海の環境問題・国際環境NGOグリーンピース







おさかな貯金
とは?お金を寄付するのではありません。署名するだけでスーパーマーケットに魚を守りたい!という意思を届けるものです。




以下、おさかな貯金のサイトからコピペして掲載いたします。 続きを読むをクリック。


以下、おさかな貯金のサイトからコピペして掲載いたします。

なぜ「おさかな貯金」?

寿司の主役、太平洋クロマグロ(本マグロ)がピンチです。
いま海には初期資源(大規模漁業が行われる前)の4%しか残されていないと報告されています。

かつては晴れのご馳走だったクロマグロ。
今は、「安い国産の本マグロ」を求める量販店や回転寿司店などで、広く販売されています。

その結果、漁獲量全体の98%もが、まだ海に卵を産んだことのない未成魚(子供のマグロ)で占められています。
また卵を産む直前の親魚も一網打尽にされています。
海で卵を産む前に大量に獲られてしまうのですから、海で魚が増えるはずがない状態です。

本マグロだけではありません。
ウナギ、アジ、サバ、イワシ、ホッケなど、普段私たちが食べる多くの魚が急激に減っています。 1
世界の海の魚で、まだ獲っても大丈夫なのは、すでに全体の13%のみ 。 2

このままでは、世界の海からも、ユネスコ無形文化遺産の「和食」からも、本当に、魚がいなくなってしまうのでは?!
だから、いまこそ、みんなで「おさかな貯金」!



「おさかな貯金」で、できること

食卓にのぼる魚の約7割はスーパーマーケットで売られています。

絶滅危惧種や、数が減っている魚を安くたくさん売りつづければ、和食文化を残すこともできないかもしれません。

「おさかな貯金」は、収入の一部を計画的に貯えるように、豊かな海と食卓の魚を子どもたちに残していきたい、そんな思いをスーパーマーケットに届けるプロジェクト。

スーパーマーケットは「お客様の声」に敏感です。
「消費者の声」は企業を変え、さらに、魚の資源管理をする行政を動かしていきます。

あなたも、今すぐ「おさかな貯金」に参加して、子どもたちのためにお魚を残しませんか?

みなさんからの賛同とメッセージは、グリーンピースがスーパーマーケット大手15社3 に「お客様の声」として届けます。



おさかな貯金


<みなさんの「お客様の声」がスーパーを動かしてきた例>

イオン、放射能ゼロ目標宣言を発表 (2011年)
イオン、イトーヨーカドー、ダイエー、ユニーが、絶滅危惧種ヨーロッパウナギの取り扱いを中止 (2013年)
イオン、ダイエー、ユニーが、激減するクロマグロの未成魚の取扱制限を決定 (2013年)
西友、魚介類商品のトレーサビリティ体制の強化を約束 (2013年)
イオン、「持続可能な調達原則」を発表 (2014年)

 | HOME |